好きって絶望だよね

電車の床の、灰色の、もっと遠くのほうを見ていた。もうイヤホンから音は流れていない。意識が沈んでいくわたしを助けてあげたくて、ケーキを買って帰った。生クリームが少なめのショートケーキ。空腹で気持ちが悪かった。

 

どうしようもないもんな、って、ひとつひとつ片づける。ゴミ箱に入れる。さよなら私の気持ち、思考、理想、倫理。ぐちゃってにぎってから捨ててやる。散らかりすぎていたのが悪かった。もっと早く整理すれば良かったんだね。執着って、絶望だよ。でもわたし不器用だから、大切なものも捨ててしまう。からっぽの容器まで捨ててしまう。それがゴールじゃないのかな。だって、どうしようもないもんね、わたしだし。